
ぶんか遺産
@bunkasremains
2026年8月6日

消失グラデーション
長沢樹
読み終わった
序盤は青臭くて少し痛々しい青春ミステリと言った読み味だったが、後半に至るにつれ"グラデーション"の意味が生きてくる。我々はよく物事を切り分けて認識しており、それをしないと話が進まないので仕方なくはあるのだが、物事はデジタルではなくアナログで、私たちはグラデーションの中にあるし、私たち自身もグラデーションなのだ。
その主題は置いておくとして、ミステリとして読むといささか無理が目立つ。トリックがかなり馬鹿馬鹿しかったり、アレを乱立させてとんでもない構図になっていたり、大事な前提条件が知らない間に崩されていたり......まあ、総合的に見れば、デビュー作らしく大胆で突っ走った感じは、概ね好印象に収まるんじゃないだろうか。
