消失グラデーション

消失グラデーション
消失グラデーション
長沢樹
KADOKAWA/角川書店
2014年2月25日
2件の記録
  • 序盤は青臭くて少し痛々しい青春ミステリと言った読み味だったが、後半に至るにつれ"グラデーション"の意味が生きてくる。我々はよく物事を切り分けて認識しており、それをしないと話が進まないので仕方なくはあるのだが、物事はデジタルではなくアナログで、私たちはグラデーションの中にあるし、私たち自身もグラデーションなのだ。 その主題は置いておくとして、ミステリとして読むといささか無理が目立つ。トリックがかなり馬鹿馬鹿しかったり、アレを乱立させてとんでもない構図になっていたり、大事な前提条件が知らない間に崩されていたり......まあ、総合的に見れば、デビュー作らしく大胆で突っ走った感じは、概ね好印象に収まるんじゃないだろうか。
  • あらすじ:部内で孤立する女子バスケ部のエースが屋上から転落し監視された空間から姿を消した。女性と爛れた関係を持つ男子バスケ部の不良部員 椎名康ととある事情から転入してきた孤高の放送部員 樋口真由の2人は警察の捜査方針に疑問を持ち独自に調査を進める。 青春小説とミステリー、どちらの要素をとってもハイレベル 事件の関係者だけでなく探偵役助手役でさえもそれぞれに悩みを抱え、それと密接に結びついた人体消失の謎に潜む真相に傷つきながらも近づいていく流れが美しい トリックもミスディレクションが効いていて完全に意表を突かれてしまったおすすめ
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