阿久津隆 "10:04" 2025年3月21日

阿久津隆
阿久津隆
@akttkc
2025年3月21日
10:04
10:04
ベン・ラーナー,
木原善彦
早めに店を出、『10:04』を読みながら帰る。パーティーの場面で、コカインでダウンした研修生の横で、「峠は過ぎた。僕はあなたとともにある。そして事の次第を知っている」と言うところ。それから朝の光を見に行くところ。胸いっぱい。ここの夜のところではお気に入りの場面というか、何度読んでもやっぱりくすっとしてしまうところがあってパーティーへの参加を誘われた語り手が「僕は、そろそろ家に戻って、(実際にはそのつもりもないのに)小説に取り掛かろうと思うと言った。しばらくすると、僕ら四人は暗闇の中を車でパーティーに向かっていた」のところとコカインの吸引を誘われたときにいろいろ迷った末に「僕は吸わないことに決めた。でも、そう決断したのは、テーブルのガラス天板に置かれていた一筋の粉を吸引し終わって顔を上げた後だった」のところで、行動の急旋回というか行動が決定を楽々と裏切る様子がすごく好き。ウディ・アレンの文法という感じがする。この素っ頓狂さを僕は愛す。
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