
数奇
@suuqi
2025年4月1日

孤独の発明
ポール・オースター
読み終わった
とてつもなく自分に刺さった一冊だった。小説家になる前、詩人として活動していたオースターの自伝的散文・回想録という立ち位置の作品だが、本人も「自伝ではない」と言っており、作中でも自身のことを「彼は」「Aは」という呼び方をしていて、まさにその後に発表する小説のような読み心地。読みづらく難しい内容ではあるのだが、どんなに目が滑っても「一文も見逃したくない」と思わせる文章で、何度も同じページを読み返しながらじっくり時間をかけて読んだ。一つ一つの言葉、文章がどこをとっても素晴らしい。孤独が物語を生み出すこと。記憶が今を作っていること。偶然が韻を踏むように重なること。




