どんぐりころすけ "三体0 球状閃電" 2026年8月13日

三体0 球状閃電
三体0 球状閃電
ワン・チャイ,
光吉さくら,
劉慈欣,
大森望
球電を題材にした軍人一家の父娘の物語。 ある意味でどこか欠乏、空洞のある人物にスポットを当てて世界を作っていくのは、著者のスタイルだなと感じた。 悲しい過去によって生まれた心の空洞を取り憑かれたように埋めようとして、幸か不幸か生きる意義を与えてくれてしまう強い原体験に出会ったあとの人間の強さと脆さを表現している。 自分の母親(と自分も)を見てるようで、どこか想像できてしまって、悲しくなった。 ソフォンの存在、タイラーの当初作戦へのつながりを感じさせてくれて良かった。 ------- ■林雲が父親に伝えたかったこと 誰よりも早く兵器を作り出すことに生きる意味を見出し、確信してしまった林雲は、自身が怪物であることを自覚していて、そうなってしまった理由を父親にわかってほしかったのだと思う。 けどそれは、理解してほしいというより、幼い頃に一緒に時間を過ごしてくれなかった父親への当てつけとして。 まるで、子どもがうまく言葉にできない自分の感情を親にぶつけるように。 『「なるほどね。林雲、きみは今回の失敗のショックで子どもに戻ったんだな」 「もともと大人になりきれてなんかなかった」』 『こうして林雲は、心の奥深くにずっと秘めていた気持ちを吐露した。まわりの人たちがこの話にショックを受け沈黙しているのに対し、彼女はすっかり晴れやかな気持ちになっているようだった。』 『わたしは軍の中で育ったんです。生きていけるかどうかわからない──ほかの場所では。それに、ほかの人とも』 ■もしタイラーのゴースト作戦をやるなら 課題だらけでとても難しそうだけど考えてみる。 三体人は常に観測している、というワーストを考えると、そもそも成立しない。 ギリ観測してなかったとして、舞台の設定通りに、量子化した後に時間とともに存在しない確率が高くなるとすると、攻撃時に存在する側に収束させる必要がある気がするが、確率下がってて難しくならないか? つまり、いつ量子雲状態に移行するかが大事になる。でも三体人と遭遇する直前で移行するとして、その時はすでに見つかってる気がするので、これまた難しい。 最初から詰んでる作戦な気がする。 ------- まとめると、 良くも悪くも無意識に、幼い頃に負った傷跡を舐め続けるのが、動物の習性なんじゃないかなと。 以上です。
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