
しゅなうざー
@fumi23
2026年8月14日
台湾漫遊鉄道のふたり
三浦裕子,
楊双子
読み終わった
台湾の美味しそうなものが次々と出てくるのに加えて、メイン二人の距離感が近づいたり離れてしまったりすることがどんどん気になる作品。
日本でしか歴史を学んだことがなく、植民地として統治をされていた国側の価値観をなかなか想像する機会もなかったので物語に織り込まれると気付かされることがたくさんあった。
千鶴は青山先生に決して当たることはしないけど、どの民族なのかを問われたとき、「ずるいですよ」と言えるのが良いなと思った。
『茘枝がのぼせる食べ物なら、西瓜は熱を冷ます食べ物』
『一府二鹿三艋舺(いちふにろくさんまんか)』
美島の青山先生に対する厳しいまなざしの指摘は統治する側の傲慢さが生々しくあらわれていて、支配者側と被支配者側が本当の意味でわかりあうことの難しさを感じた。
『私は、生活が豊かに、便利になることは、ここの人々に歓迎されているのだと思ってたのよ』
〜
『この世界で、独りよがりな善意ほど、はた迷惑なものはございません。』
日本版あとがきで著者が台湾でこの本を使って仕掛けたことにすごく驚いたし、挑戦的だと思った。
「台湾は我等台湾人の台湾である」とちう1920年代の台湾(→日本)の民族運動盛り上がりによる叫び
100年後の今も同じことを叫んでいるが、その対象が日本から中国にかわったこと、台湾とは一体何なのか台湾人作家である著者も簡単には答えられないというあとがきがすごく印象に残った。
あと、愛で乗り越えることが困難なものであればあるほど、逆に愛に近いものだと思っています。という言葉も心に残った。