
高瀬
@bakush_no
2026年8月15日
新装版 夜中の薔薇
向田邦子
読み終わった
表題の「夜中の薔薇」は「眠る盃」と並ぶ、言葉間違いから始まる回想に引き込まれる。間違いなのに詩的な響き。夜の闇は怖い。何かが蠢いている気がする。床に落ちている爪が大人のものであるというのをドラマに取り込むことにこだわる部分も印象的だった。生活のすべてを観察してきたからこそ、ちょっとしたこともおろそかにできないという強い意志を感じる。
作者が人生を確立するきっかけになったエピソード「手袋をさがす」もハッとさせられる。反省はしない、このまま付き合っていこう。こんな風に自分の人生を大事にしてきただろうか?
エッセイはほとんど読んできたが、向田さんの仕事をする上でのスタンスを描いたものはあまり読んでないイメージだったので、手袋から広がった先の確固たる信念に触れ、ますます大好きになった。永遠に憧れの人だ。


