
shiori
@shiori_417
2026年8月14日
わたしに会いたい
西加奈子
読み終わった
2026年100冊目の読了本!🙌
西さんの乳がん闘病の経験がかなり色濃く反映された短編集。
『くもをさがす』で描かれたご自身の実体験を、小説内のエピソードとしていくつも登場させている。
各エピソードから、どんな風に肉付けをしてひとつひとつの物語にしているかという見方でも楽しめるし、ある経験からこれだけ多くのことを抽出できるんだな、という感嘆もあった。
女性を、特に女の子をエンパワーするという、意思と力強さと愛にあふれた本。
『くもをさがす』が好きだったので、こちらも併せて読めてよかった。
“自分は、自分になりたいのだ。ケイシーの望みは、それだけだった。
世界は進化し、自分の「状態」を言い表すあらゆる言葉が誕生していることを、ケイシーはもちろん知っていた。そして、その状態のどれかに、自分を当てはめることを求められていることも。でも、何かに属せばたちまち、自分が自分でなくなるように感じた。誰かが作った枠に収まろうとすれば、必ず自分のどこかが歪み、壊れた。” (掌)
他人に対しても自分に対しても、何かしらのラベリングをして安心したい欲求が人間にはあって、
未整理なもの・名付けられないものがあると落ち着かないこともあるけれど、
それを乗り越えて、どれだけ中途半端な状態を許容できるかが大事な気もする。
また、一度「今の自分はこれかも」という器が見つかっても、常にそれを問い直していくことが、自分自身と良い関係を築く鍵のような気がしている。
西さんの文章は、正統派というのとは少し違うかもしれないけど、個性が強くて、読みながら自分の考えも刺激されるエネルギーを感じる。
また好きな作家さんが増えて嬉しい。