阿部義彦 "世界の書店を旅する[増補新版..." 2026年8月14日

阿部義彦
阿部義彦
@xtc1961ymo
2026年8月14日
世界の書店を旅する[増補新版]
世界の書店を旅する[増補新版]
ホルヘ・カリオン,
野中邦子
楽しかった、著者はスペインバルセロナに住む文芸評論家。2013年にスペインで初版が発行され、各国語に訳されて日本では19年に出版された白水社が親本で、今回それに増補としてエピローグが加わりました。かつて本屋には、そこに常に入り浸っていた、常連の文学者が付き物でした、ジェイムズ・ジョイス、ホルヘ・ルイス・ボルヘス、私の大好きなマルセル・デュシャン然り、そんな生きた人間くさい書店論、その移り変わりから、店名を変えて生き残る書店あり、残念ながら消え去る書店もあるが、独立系書店の躍進は日本のみならず全世界的趨勢の様です。私が一番感激したのは10章〈書店チェーン〉で新たに三百店舗の経営責任者になった、ジェイムズ・ドーントが潰れゆく書店【ウォーターストーンズ】を持ち直した時のエピソード、何より書店員を信頼する事、どんな本を売りたいか又は売りたくないかを彼らの裁量に任せる事。その為にウォーターストーンズを、出版社にショーウインドウや、平台の陳列スペースを売らない唯一のチェーンにする事でした。そして返品を減らすために版元と交渉して、委託販売などの条件を変える事でした。「版元はこうした措置を嫌がった。だが出版システムを変えたいなら、果敢に立ち向かわねばならない。彼らに会いこう問いかけた。『ほかに良い考えが有りますか?ここで変えなければ、この業界はお終いです。』しだいに彼らも理解してくれた。出版社が良書を作り続けていれば、われわれ書店と共に生き残れる。だがそうでない版元の場合、すなわち新刊がメインで、派手な宣伝を仕掛ければ売れそうな凡庸なタイトルにしか関心がないなら、いずれ沈んでゆく運命だ。何故日本にはこんな人が居ないのかと私は悔しくなりました。殿様商売でこうなる事が分かっていながら、放置した、取次や出版社の事です。とにかく本好きの方は是非どうぞ!
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