チ〜ズ明太娘 "人間標本" 2026年8月14日

人間標本
人間標本
湊かなえ
とても嫌な気持ちになれた。誰も救われない系ミステリー。  (以下ネタバレ) 最後まで読むと小説全体で「榊士朗」という人間の標本ができるまでの説明文章だったんだろうなぁ…と思わされた。 最後の「黒い塊が〜」部分は、「蝶は人間の魂だと考えられていた」から来ているのかなと思った。 蝶となった魂が抜けて、抜け殻になった史朗は独房の中でまるで標本にされた蝶のような姿で死ぬまで生きる…という。 杏奈は人間に戻れたのかな。 籠の中で一晩経って弱った蝶にならないといいなと思った。  大元凶の留美に全然共感とか出来なかった上に死んでしまっているのがモヤモヤを掻き立てるのかもしれない。  画家なら自分が動けなくなった時点で作品制作は諦めるべきで、他人に制作任せるなら思った通りにいかないことにも妥協するものだしそもそも子供に対して「失敗作」とか言うの御法度だろ。 芸術家のくせにその失敗作に頼らないと作品作れなかったのは誰だよ?!?!とキレ散らかしてしまった。 留美の詳しい心情の動きは他者の言葉からしか読み取れないのでもっと複雑な感情が「あったかもしれない」としか言えないのが絶妙にモヤモヤする。 文字にするとやらかした事実が軽く扱われる、みたいなことが書いてあったが文字にされないと事実すらわからんから怒るに怒れないねぇ?!というのを体感した。 死人に口なし、みんな標本になってしまったからもう誰も語る人はいない。
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