"デイジー・ミラー" 2025年3月4日

匙
@sajisann
2025年3月4日
デイジー・ミラー
デイジー・ミラー
ヘンリー・ジェイムズ,
小川高義
「大使たち」でハマったヘンリー・ジェイムズ。これはさらっと読める。帯のサスペンス味がミスリードになってしまうような…。 ヘンリー・ジェイムズは人が出会った相手を自分の時代に規定された了見で簡単に判断し、気づかないまま誤解してる、理解できてない、未知なあいまいな出会いをとても魅力的に描写する。最初の弟くんの描写も好き。 他の方もネット上の感想でふれているが、併録されてる序文の、ジェイムズに対する彼の知人の評が凄い。バッサリ。自分が文章を書こうとする時も、何か作品に触れてる時も頭から離れない。 “その観察とやらだって、とりあえずは虚心に見ていたのが、なんだか突き動かされたように見始めるから、せっかく情理がわかってきて、その真実が袖を引いてくれていても、いつもの癖は治らず、どうしても上品に作りたくなる。何というか、もう身に染みついているのですね。形を整えて、きれいにして、哀しくする――”
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