ぶんか遺産 "余命一週間の探偵として" 2026年8月12日

余命一週間の探偵として
余命一週間の探偵として
ホリー・ジャクソン,
服部京子
ホリー・ジャクソンの謎解きミステリ。 個人的には話の舞台は閉じた世界の方が好きなので、前作『夜明けまでに誰かが』の方が好みではあった。けれど、「自由研究シリーズ」から続く捜査小説に謎解き要素がしっかりと加わって、真っ当に面白い犯人当てになっている。フェアでこそないが伏線回収の妙を身につけってしまったこの作者は、一生これで書けてしまうのでは。 ラストはホリー・ジャクソン節を効かせつつ、今までと一風変わった読み味。設定からも分かるが、この作品は"よき喪失のために獲得する"のが主人公の目的であり、今までの"失われたものを取り戻す"作品群とは一線を画す。ジャクソンの描く女性主人公が、新たな人間性に踏み出した記念碑とも言える......かもしれない。 まあ、難しいことは考えずとも、ページを捲る手が止まらない、ノンストップ・タイムリミット・ミステリとして、抜群に最高の出来。
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