
ジクロロ
@jirowcrew
2026年8月15日

心理学と錬金術 1 新装版
C.G.ユング,
池田紘一,
鎌田道生
読んでる
錆がついて初めて貨幣にも本当の価値が出てくるというタレスの逆説的注釈は一種の錬金術的パラフレーズであって、その言わんとするところは結局のところ、影なくしては光は存在しない、不完全さなくしては心の全体性は存在しないということ以外の何ものでもない。生の完成のために必要なのは、終結的完全(Vollkommenheit)ではなく、持続的完全(Vollstandigkeit)なのである。そこには「苦の種」が、欠陥の悩みがなくてはならない。それなくしては前進も上昇もありえないからである。
(p.215)
「持続的完全」とはジンテーゼ(synthese)、テーゼとアンチテーゼの揺り籠、その揺れに酔いを催すのではなく、快楽を覚えること。
「苦の種」を糧に、ニーチェの「陶酔」に近づくこと。
測り(秤)の上で踊る命の絵
灰のリングに何が善 扉開けた気がしてる
ここが俺の墓場
確かめてるヒマもないねHollaback
(『Synthese freestyle』 JJJ)
「墓場」こそがジンテーゼ、「踊る命の絵」の舞台であり、JJJにとって、それが「音楽」であったということ。そこに赴けばいつでも彼の音楽が流れている。
彼の音楽を輝かせているのが「苦の種」であり、その事実が彼の音楽を聴く者の心をいろんな意味で「揺さぶる」。
左手流れる 千の言葉雨がふる
今あふれて止まらない
今あふれて止まらない
絶えず声は終わらない
今あふれて止まらない
今あふれて止まらない
(同上)
これが『MAKTUB』(それは(神によって)書かれている)のはじまりの楽曲。
よりによって、Hollabackで締め括られる歌詞。
墓碑銘は「墓場から揺籠まで」。