二色 "イン・ザ・メガチャーチ" 2026年8月15日

二色
@2shiki
2026年8月15日
イン・ザ・メガチャーチ
面白かったけど、面白いのは各立場からの「主張」そのものであって、それが仮に小説ではなく評論文として出力したとしても同じくらい面白いんじゃないかなぁ つまり、単に「現代社会学が面白い」という話であって、そこに「文学作品」だからこその付加価値はあまり乗っていないように感じた 視点人物である3人の主人公が、それぞれの境遇における「典型例」すぎて、類型的にこういうタイプの人はこうなっていくよね、というイメージの通りの展開・帰結が続いていくので、単なる駒として動かされている印象を受けてしまった そうだとすると、「小説」という形式を選択したことによって、内容的な奥行きはさほど広がっていないのでは?例えるなら、社会学の論文で示された具体例を読んでいる感覚でしかない (唯一、終盤の国見の葛藤は、そういった予定調和から外れていくような誘惑が示されており、小説的な面白さを感じられた) その意味で、この作品って「物語」によるパッケージングによって読者の共感を誘導しているだけであって、国見が実施していたようなマーケティングを朝井リョウが本作で実施している、という入れ子構造なのでは?という気もしている そこにビジネス的な打算が見えてしまうようで、純粋に文学が好きなファンとしては少し心苦しかった
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