
イシイルカ
@ishiiruka0421
1900年1月1日
たゆたえども沈まず
原田マハ
読み終わった
明治の始めに果敢にも憧れのフランスパリへと渡った林忠正、そして彼を追いかけてパリに渡った弟子という設定で加納重吉。二人の日本人が登場。
歴史的事実と創作を交えて偉大な芸術家たちを描く原田マハさんの真骨頂。舞台は花の都。セーヌ川。たゆたえども沈まず。
印象派の台頭が始まるパリの美術界、そしてゴッホの弟、テオの、情緒不安定な兄と家族を支えていかねばならない環境と、兄の芸術性の真の、そしてその当時唯一の理解者であることの苦悩。
歌川広重の浮世絵は、フィンセント・ファン・ゴッホ美術館が所蔵している作品を、先日上野の東京都美術館で「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」にて見ることができた。
このジャポニズムがフィンセントに与えた大きな大きな影響に思いを馳せる機会だった。
はるか日本から海を渡り辿り着いた「タンギー爺さん」の背景に描かれている浮世絵。そこには幾多の人々の人生が。なんかもうロマンしかない。
ムッシュ・アヤシこと林忠正の洞察力。ゴーギャンの椅子とゴッホの椅子を見て彼ら二人に起こったことを言い当て、更にはテオとヨーの結婚によるフィンセントの破滅を予言する。
作者の原田さんはフィンセント・ファン・ゴッホの死についてあくまでもフィクションとして別の作品で独自の解釈、物語を創作しているけれど、謎の多い画家の最後は我々にいろんな想像をさせる。
存命の間にはたった一つの作品しか売れなかった不遇の画家の生涯。
またしても引き込まれた。
2025/12/05






