
いちのべ
@ichinobe3
2026年8月15日

闇の左手 (ハヤカワ文庫SF)
アーシュラKル・グィン,
小尾芙佐
読み始めた
今こことは異なる星の話が、注釈ほとんどなく繰り広げられるので読むのに体力が要る、が、面白い。
「“永遠のブレッド・アップル”って何!?」とか、氷点下の地では貴重な熱いビールとか、食べ物も謎めいて美味しそう。
> そうしようと努めるのだが、そうした私の努力は、ゲセン人をまず無意識的に男として見、それから女として見、しかるのちに、彼らの特質からいえばまったく不当な、私にとってはきわめて本質的な男女いずれかの範疇に押しこむという形をとってしまう。(p19)
ゲセン人は両性具有らしく、このような描写があり、事情は異なれど、自分がノンバイナリーであると伝えたときも相手の中でこういった心情が生まれるのだろうかと思うなど。
> 当時は今と変わらず、同じ両親の血をひいた兄弟は、どちらかが子供を生むまではケメルの誓いを守ることが許されていましたが、子供を生んだのちには別れねばなりませんでした。その後は死ぬまでケメルを誓うことは許されなかったのです。(p31)
途中に挟まれる神話や民話も面白くて、特に「ケメル」(厳密な定義はまだ文中にはないが、何となく番いになる的な意味っぽいと察せられる)を誓った兄弟の話が、近親相姦がある時点までは許されるが、その後は罰せられるという、現実ではあまり聞いたことのない倫理観が興味深かった。