夏至
@pixied8
2026年8月14日
昭和16年夏の敗戦
猪瀬直樹
読み終わった
終戦記念日を前に読み終わった。元はと言えば何も知らずふらりと観た映画『開戦前夜』にひどく心が動いて、エンディングで知った原作も読みたくなった。こちらはフィクションではなくノンフィクションなんだ。映画では研究所周りの人物は仮名というかフィクションキャラクターだったため映画とは一致しなくて、なかなか役職と名前が覚えられない。それでもリアルな内閣の開戦状況と研究員の対比が面白くどんどん読んでしまった。
私は映画にも増してリアルな内閣の方をより興味深く読んだ。東條に対して、世界の悪人に名を連ねるイメージしかなかったが、天皇に忠実に開戦せずに済むように奔走するも、転がった石を止める程の力もなく、泣きながら悔しがるエピソードはかなりイメージと違っていた。とはいえ、元々開戦派なので、始まってしまえば、思ったよりもうまく行った初戦とプライドから戦争を止める選択肢がなくなってしまったのだろうとも思うけれど。
最後の章でまとめられているように、誰かが戦争をやることを決めたというよりも、それぞれの官僚が事務仕事として、求められるものの空気を読み、仕事をこなした結果、淡々と戦争へ突き進んでいったという件が怖かった。今の日本でも大いにありうるだろうと思った。
肝心の総力戦研究所についてはリアル内閣の方ほど情報がないせいもあり、映画のフィクションに比べると物足りなさを感じる。それに映画とは違って割と早い段階から反対派が多く戦争すべきでないという結論が出ていたものの、教官が戦争にならざるを得ないような条件付けをしてシミュレートを進めていたようだ。これだけ的確なシミュレーションできる逸材がいることに希望を見出すことができるとも言えるし、それが正しく決断する集団にいなければ何の意味もないとも言える。
最後の猪瀬さんと石破さんの対談も良かった。石破さん、自民党ないでは全然人気ないけどさ、ちゃんと良い意味でも政治家という感じがする。
