
octo
@mothmanoir
2026年8月16日
美学講義
谷川渥
読み終わった
美学の日本への受容を分析した第一章から始まり、ヴァレリーの有名な言葉を踏まえつつポイエーシスの問題系を扱った第二章へ、最後の章ではグリーンバーグを中心にして展開される美学的言説が検討される。
あとがきに書かれている通り、「美学はバロックか?」という問いが通奏低音として本書を貫いているが、カント的なフォーマリズムを継承したグリーンバーグがその質料性の重視によって(捻れて)バロック的でもあるという指摘が興味深い。
度々挿入される自著への言及を踏まえて、「谷川渥による美学の総決算」の感がある一冊。その意味で著者のこれまでの著作を読んでいれば読んでいるほど楽しめる。
