白玉庵 "カラー版 本ができるまで 増..." 2026年8月16日

白玉庵
白玉庵
@shfttg
2026年8月16日
カラー版 本ができるまで 増補版
すべての文字の一〇ポイントの清刷が残っていましたから、これを三六〇%に拡大してスキャニングするところから始めました。小さいものを大きく拡大するわけですから、輪郭は当然ギザギザです。しかも当時はまだアウトラインではなく、ドットで表示されていましたから、この一つひとつのドットを丹念に動かしていく作業でした。 p115 鋳造出身の職人が、活版の活字をデジタルフォントに移植して、二人かがりで七年かけて完成…気が遠くなりそう。 エッチングやリトグラフなど今でも普通に使われている版画技法の説明が分かりやすい、活版印刷の工程が非常に丁寧に説明されている、かなりの用語にルビが振られているのが地味に親切、など、推したいポイントがやまもり。 つい最近のフォントワークスの激烈値上げによってあらゆるユーザーがフォントの切り替えに走ったことを、p113のベントン彫刻機(活字母型を製造する機械)の特許が切れて日本でも大量導入するようになったののネガだなぁと思ったり。 入力方法の解説で、『チャイニーズ・タイプライター』で読んだやつ!となったり。 大印刷会社で写真製版をしていた知人が、デジタル印刷技術が発展して仕事がなくなってしまい、全く違う職種に転身してたことを思い出したり。 ジョヴァンニは日本で一番有名な文選工だなぁと思ったり。 あ、稀に変に折り込まれている小さな紙は「福紙」っていうのか!あれどの本についてたかなと思いをちょっと馳せたり。 印刷はあまりにも身近な技術なので、この本を読むとそれにまつわるあれこれがどんどん押し寄せてきて処理速度が落ちる。 印刷の歴史は、より安く、早く、読みやすくを目指して発達してきました。でもそれは印刷だけでなく、製本でも同じでした。そういう発達の歴史があって、現在の私たちの読書生活があるのです。 p172 ほんとそう!それと公立図書館という仕組みがなければ、わたしのような一般庶民がこんなに本を読むことはできなかった。 終章で2003年から2025年までのデジタル印刷技術の変化を総括していて、さすが増補版を出す意味ありすぎだった。2003年の記述で止まってしまったら、今これから本作りのことを考えるにはかなりの部分が変わってしまって役に立たないはず。実際のオペレーターの作業にまで踏み込んでいて、もはや大人向け書籍。 牧製本は製本教室も工場見学もやってるんだ、行こう。いやー、読んでよかったな。これもReadsでタイムラインに流れてきたから本棚で発見できたのだ。
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