M市のR氏 "友情" 2026年8月15日

M市のR氏
M市のR氏
@aoi-honmimi
2026年8月15日
友情
友情
武者小路実篤
新進脚本家の野島は友人の妹・杉子に恋をした。彼にとってはじめての恋だった。美しく、清く無邪気な杉子は自分が結婚するのに相応しい相手だと思った。野島は杉子に夢中だった。 常に杉子に会いたかったし、他の誰かと結婚してほしくなかった。杉子に悪く思われたくないし、嫌われたくなかった。彼女を失いたくなかった。自分が病気になった時は他の者と笑わないで自分のことを気にかけてほしかった。そもそも自分は彼女に相応しい相手なのか(ぐるぐる) そんな野島の恋を親友の大宮は心から応援してくれたが、この恋の結末はあまりにも残酷だった。 大正に書かれたとは思えないくらいに本書は読みやすかったし、主人公の野島の言動には、おまえは森見登美彦の小説の主人公かと思ったほど(時代的にこちらの方が先だが)。だけど、最後の勇ましさと情けなさが混ざり合う場面は彼の魅力となったと感じた。 一方で障害と情熱をもって結ばれた恋人たちに対しては、果たしてその情熱がいつまで保つのかなと少し冷ややかな気持ちで見届けた。
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