
いちのべ
@ichinobe3
2026年8月16日
菜食主義者
きむふな,
ハン・ガン
読み終わった
初めて読むハン・ガン作品。
序盤、「想像より読みやすいな」と感じたのは、連作中編のひとつめである表題作の語り手・ヨンヘの夫が表層的な人物だったからか、と読み進めるうちに気づく。
後半に進むほど自己を、人間という存在を、掘り下げていくような感覚があった。
『蒙古斑』で描かれる姉の夫の一方的で奇妙な欲望はどこか滑稽でもあり、『木の花火』は「こちら側」で最善を尽くして生きる姉の苦しみに勝手に共鳴して息苦しかった。
> この泥沼のような人生を彼女に残して、一人だけ境界の向こうに行ってしまった妹の精神を、その無責任が赦せなかったことを。(p227)
物語を追いたいとはまた別の感覚で、読む手を止めることができず没頭して一気読みした。連続して読むには気力が要るので、また時間を置いてから他のハン・ガン作品と向き合ってみたい。

