菜食主義者

124件の記録
- あしか日記@ashikanikki2025年5月24日読み終わったハン・ガン『菜食主義者』を再読した。この小説は、人間であることを放棄して木になりたいという願いに強く囚われたひとりの女性・ヨンヘを中心に、三つの視点から展開される。ある夢を見たことを契機にヨンヘは肉食を絶つ。やがてヨンヘは一切の食事を頑なに拒むようになる。一種の信仰とでもいえるその拒絶をはじめとした一連の出来事に周囲は激しく動揺し、安定は崩されていく。 ヨンヘの真意が何であるのか。本人の口から直接語られる場面は限定されている。それを知るためには、読者は想像力を振り絞らなければならない。そしてヨンヘの姉・インへがそうしたように、自らの深い絶望と傷ついた身体を媒介にして、彼女の心の深奥に降りていかなければいけない。 ただ、そうしたところで必ずしも他者を理解できるわけでもなければ、救いがもたらされるわけでもない。大抵はすさまじい徒労感が残るだけだ。人の世を見限った個人にとって、生きていればいいこともあるから、という生温い言葉は効力を持たない。 インへの重たい視線は「木になりたい」という願望に共感しながらも、実際に木になることを選ぶことができない私たちの葛藤を代弁している。それは、いつまでも生き続けているような、同時に死に続けているような木々に向けられている。 どこからか鳥の羽ばたきが聞こえる。何かがわたしたちを繋ぎ止めている。
- ゆずこしょう@exloyrog842025年5月21日読み始めたひとまず「菜食主義者」を読み終えた。おもしろーー。良い具合の仄暗さ。社会に対する怒りを感じた。 5/23 読了。三篇目の「木の花火」が素晴らしかった。ヨンヒが世界への拒絶を貫き通し、安易な物語に回収されなかったことに安堵。希望と絶望の二軸だけで語りたくない鮮烈な結末だった。
- よしい@Yoshe2072025年4月14日読み終わった読み終わった直後はうまく咀嚼できなかったけど、読了後1日空けた今日になって、ふとした瞬間に物語の端々のいろいろについて思い返したり思い巡らせたりしていることに気付く。
- リチ@richi2025年3月30日読み終わったとても良かった。生きること、人としての在り方、生きることへの違和感の表出など、全てが切実。 あとがきの著者の「慰めや情け容赦もなく、引き裂かれたまま最後まで、目を開いて底まで降りていきたかった。もうここからは違う方向に進みたい。」という言葉が染み入る。目を開いて底までおりるような本。
- 鍋の底@nabebosoko08292025年3月12日読み終わった@ カフェ「向かい側には古い鉄骨がむき出しになった仮設建物が立ち並び、車両の通らない端の枕木の間にら手入れさえされていない草が長く伸びていた。ふとこの世で生きたことがない、という気がして彼女は面食らった。事実だった。彼女は生きたことがなかった。」(p.258)
- いろり@flooding_fluid2025年3月11日まだ読んでる完読はしていない。絶対的なものに強迫的に取り憑かれること、それがもたらす波紋。当事者性がありすぎて、うまく距離を取らないと読めない。
- 読書会@coffee caraway@caraway2025年3月6日読み終わったこれは男社会を批判する本かもしれないし 家庭内虐待を描いているとも言えるし 心を病むということはその人がその人らしくあろうとした軌跡だとも言えるかもしれない そこに必要なケアがあればどれだけの人が救われただろう?と思わずにはいられなかった
- 散策舎@sansakusha2025年3月5日読んでるとりあえず表題作だけ読了。 ハン・ガン作品、まだ4作しか読めてないけど、どれも深い井戸の縁に立たされているような感覚になる。存在から語りかけてくる何かがある。本当にすごい。
- ロッタ@rotta_yomu2025年2月8日読み終わった夢の中を彷徨いヨンヘは願う。ヨンヘと共に読者は彷徨う。父に夫に義兄からの搾取は、柔らかく薄く、疲れは溜まって傷は溜まって、いつの間にかその層は厚く幾層にも厚く、どこまでも静かに壊れる。
- babu@nantoiukotodeshow2025年2月3日読み終わった刺激的で狂気的だった。 なのにも関わらず、少し分かってしまう事実に目を逸らしたくなる〜、、 人間はどうしたって動物だと言うことを思い知らされる。 読みやすく続きが気になってどんどんページを捲りたくなるんだけど、全体像は捉えられないような、浮遊感がずっとあった。 正直、どういう事なのか分からない部分も多かったな〜。 でもこの本の持つ鋭さに、自分でも分からないまま導かれて気づいたら読了してた… そんな引力を持った1冊だった。 この人の文章がもつパワーはすごいな、理解、とはまた別にそれよりも先に心が反応する言葉たちというか… 訳が素晴らしいのもあるんだろうけど。 あと別れを告げない、も積んであるので また読もう🙂↕️🙂↕️ #漢江 #한강 #ハンガン #菜食主義者 #채식주의자 #きむふな #新しい韓国の文学