
大道幸之丞
@ohmichi
2026年8月15日

男ともだち
千早茜
読んでる
30代手前のやや男性に奔放な絵本作家が主人公の物語。楽しめました。
ただし、観ようによっては学生時代が楽しくてその恋慕をひきづったまま、複数の男性と片付かない関係、あるいは不倫の片棒を担ぐヤリマンの物語と言ってしまえば身も蓋もないか。
──で、最後は惨めになるオチなのかなと。
読んでいて引っかかったのは実際の30才手間辺りの主人公と同世代の描写と感性にはどうも思えなかった事。
──それは当たり前で、40半ばのおばさんが創作した作品だからで、小説を鵜呑みにしやすいと言われる日本人あってはこれを「今時の若者」と思い込んでしまう方も少なくないのかもしれない。
またほぼ本作で男性のハセオが主役なのだが、彼の行動や言動には実は一貫性がなく、こんな人格・感性が一個の人間に収まっているとは到底考えられず、ハッキリ言えば「作者都合」のキャラクターだと思う。プロットを立てる際に最初に設定したキャラなのだろう。
文学賞最終審査は高齢の方が多く「若者文化を描けば、よくわからないために高確率で評価されやすい」とは『池袋ウエストゲートパーク』を書いた石田衣良史の弁。映画での今泉力哉よろしく若年層のチマチマした描写が現代に受ける事はよく理解は出来る。