かもめ通信 "エントラーダの子どもたち" 2026年8月17日

かもめ通信
かもめ通信
@kamome
2026年8月17日
エントラーダの子どもたち
エントラーダの子どもたち
エレン・オー,
原田勝
舞台はアメリカのとある街にある古いアパート「エントラーダ」。スペイン語で「入口」を意味する名前を持つこのアパートには、様々なルーツを持つ人たちが住んでいる。全部で12章。各章毎に主人公がいる。12人の主人公にはそれぞれに生みの親である作家がいて、その作家たちには専属の訳者がいる。そう聞いただけでも、たくさんの人の思いが込められていることは想像に難くないだろう。12人の作家はそれぞれのルーツに関連する章を執筆していて、自らの経験が生かされているのだろうことは、エピソードだけでなく、次々登場する各家庭の自慢料理の美味しそうな描写からも実感できる。親切なことにこの料理については、「物語に登場する食べ物リスト」という写真入りの附録がついていて食いしん坊の読者をうならせもする。もう一つ見逃せないのは魅力的なおばあちゃんたちの存在感。移民2世や3世にとって、自分たちのルーツにまつわるあれこれを教えてくれるのが祖父母世代であることや、その世代が味わったであろう今とは違った苦労にも思いをはせずにはいられなかった。
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