
五月
@gogatsu
2026年8月17日

鷲谷七菜子全句集
南風俳句会,
鷲谷七菜子
『黄炎』好きな句
十六夜
秋晴や瞼をかるく合はせても
雨の桃梢にくらき海よこたふ
青簾うなじ剃る灯のやはらかに
夜の車窓さむき眉目のわれがゐる
雪
硝子戸に星満ちて咳ゆるびをり
春の夜や用なく沸かす白湯の音
沈丁や瞳つめたき夜の鏡
愕然とわが面生れぬ蝌蚪散りて
口尻に髪の触れゐる油照り
西日の街使はるる身の影とがる
黄炎
麦笛や詩に遠き日は海にごる
枯蓮や夕日が黒き水を刺す
枯野ゆく一点となり尽すまで
静けさのどこか揺れゐて梅しろし
牡丹散るはるかより闇来つつあり
