
橘海月
@amaretto319
2026年8月17日
暗い越流
若竹七海
読み終わった
#ミステリ
探偵葉村晶とその周辺を描いた短編集。特に表題作「暗い越流」は秀逸で、ちょっとした叙述トリックも仕掛けられていて、私はまんまと引っかかった。バイアスの恐ろしさよ…。死刑囚へ届いたファンレターを調べて欲しい…弁護士から頼まれた一つの依頼がある事件に繋がり、それがまた別の事件に繋がる話の妙が巧みで、謎解きと並行して語られる家庭の闇の描写もとにかくリアルで惹き込まれた。
それにしても、若竹七海はクズを書くのが本当に上手い。それも地に足のついたクズを。彼女の本には主人公に絡むためだけのクズは登場せず、そこに至るまでの過程や背景が想像できるものばかりだ。だからといって、愛すべきでも何でもなくクズはクズで。「関わりたくない」と思わせるクズのバリエーションが豊富だ。

