暗い越流

3件の記録
- 読む時々読まない@zakinko2025年8月18日読んでる物語は淡々とした文体で進むが、その背後には常に不穏な気配が漂っている。特に、事件や人間模様の中に潜む「説明しきれない暗さ」が印象的だ。軽快なミステリというよりは、人物の過去や心情の重さにじっくり迫っていく作風であり、読む側の心にも重い影を落とす。それが「越流」という題名の持つ余韻と結びつき、静かな恐怖ややるせなさを増幅させているように感じる。
- 駄駄野@enmr3102025年5月10日読み終わった「最初の一編だけ読もう」と思ってたら、いつの間にか全部読み終わっていた。何が起きたと言うんだ……? 私の好きな探偵・葉村晶のシリーズものが入ってると聞いて購入。葉村シリーズは最初の「蝿男」と最後の「道楽者の金庫」で、間に挟まる表題作を含めた3作はノンシリーズもの。この構成で本当に良かった…。葉村さんの魅力は、人間の悪意を受けても怯まず腐らない、その人間性にあるのだと再認識する。