
CHIHIRO
@andc_chihiro
2026年8月17日
くよくよマネジメント
津村記久子
読み終わった
くよくよ、おろおろしがちと自認する津村さんが、日々何を考え、どんな工夫をしているかシェアしてくれる本。
2010〜2013に雑誌『清流』に連載されていたエッセイに加筆修正し、2016年に出版された本書。
くよくよやおろおろの要因は、今だとHSPやアダルトチルドレン、フレネミーなどと説明されるものが多かった。
生きづらさの要因に名前がついた今は、それを手がかりに、さまざまなハックがたくさん、簡単に手に入るようになった。それらの情報と本書に書かれたヒントはよく似ていて、本書から目からウロコの解決策を新たに得ることはなかった。
でも、本書を読んでしみじみ思った。情報だけをたくさん知っていても、役に立たないな、と。
くよくよ・おろおろとうまく付き合うため、津村さんはそうなってしまう自分をしっかりと見つめる。回復や前進のため、他人に「頼る」ことはあっても「丸投げ」はしない。
ノートに不安を書き出したり、自分の好きなことをわかってやったり、自他をちゃんと分けるよう意識したり。
自分で手探りで試行錯誤するからこそ、厄介な自分の操縦方法や、めんどうな人間関係の泳ぎ方が身についていく。本書のヒントも、いま世に溢れるハックも、各々に合う形にカスタマイズが必要だ。そんなふうに思った。
ありがたかったのは、試行錯誤の過程を、気取らずさっぱりと開示してくれていること。大げさでもエモーショナルでもない淡々とした語り口は、試行錯誤は決して楽しいものではないけど、とても有益だし、存外悪いものでもないと、リアルに伝えてくれる。
ゆるくでもいいから、自律的に生きられるように何かしてみよう、と思える本だった。
挿絵のイラスト、四コマ漫画がとてもかわいいです。
