
ななり
@bluebook_mark
2026年8月18日

汽笛、聞こえる
佐藤雫
読み終わった
子どものみならず育児に於ける親の孤独をも扶け保る場所として、日本初の保育施設を開いた赤澤鍾美、ナカ夫妻の理念には読んでいて深い敬意をおぼえたのですが、物語の面から見るとかなり表面的な部分に留まっている印象が強く、なかでも最も過酷であったであろう戦前戦中が地の文数行の語りで済まされているのは、本来あった場所や人の歴史の肉を削ぎ落とすに等しく、胸に迫るはずだった言葉や光景もやはり同時に宿ることなく終わってしまったのはとても残念だった。