masarumilano
@masarumilano
2026年6月5日
掌より愛をこめて
阿刀田高
読み終わった
安定感のある語り口で、「迷ったらここへ戻っておいで」と言われているような安心感があります。SNSやネット記事の日本語がファストフードだとすれば、阿刀田先生の文章は老舗旅館の朝食のようです。派手さはありませんが、滋味深く、読むと心が落ち着きます。九十歳を超えてなお、質の高い作品集を世に送り出したことに驚かされます。「さいごの小説集」と銘打たれていますが、最後の一編の締めくくりはどこか洒脱で、本当にこれで終わりなの?と期待を抱かせてくれます。読者を少し煙に巻くところもまた、小説家・阿刀田先生の魅力ですよね。