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masarumilano
@masarumilano
本屋さんでブラブラして、かなり直感的に「面白そうだな」と思った本を読んでいます。 AB型なので、ストライクゾーンが人と少し違うかもしれませんが、その辺りはご理解いただきたく。
  • 2026年9月15日
    新装版 ハゲタカ2(上)
    当時の鐘紡の経営危機・合併を下敷きに、鷲津の復活と人間臭い一面、柴野の逡巡と成長のきっかけを描く。やはりエゲツない駆け引きや「金のため、仕事のためにに死ねるか?」というヒリヒリ感が面白い。自分にそんな覚悟がないことも含めてエンタメとして素晴らしい。 だからこそ惜しいのが鈴紡の顛末。あれだけ爆弾をチラつかせておいて、政治屋のちゃぶ台返しで「はい、手仕舞いです」は、ちょっと肩透かし。そこを最後まで描き切ってほしかった。いっそ「ハゲタカ1.75」として450頁くらい使ってもいい。需要、あると思うんだけどなぁ。
  • 2026年9月12日
    陰謀論バカ 排外主義者に洗脳される一億総「情弱」時代
    陰謀論バカ 排外主義者に洗脳される一億総「情弱」時代
    陰謀論が広がる背景には、単なる知識不足だけでなく、日本がかつてに比べて相対的に弱く、貧しくなったこともあるのではないかと感じた。自国の衰退や将来への不安によって生まれた心の隙間に、リテラシーの足りない人ほど陰謀論が入り込み、自尊心や安心感を補う役割を果たしてしまうのだろう。参政党の実態や陰謀論の源流を知るうえでも興味深く、単に批判するだけでなく、なぜ人がそれを信じるのかまで考えさせられる一冊だった。 NoBorderの章は、陰謀論が単なるネット上の言説にとどまらず、現実の社会や政治に影響を及ぼし得ることを感じさせられた。思想や主張の是非以前に、関わることで自分まで引き込まれてしまう怖さがある。知識として知っておく必要はあるが、個人的には「こういう世界とは、あまり関わらない方が身のためだな」というのが率直な感想だった。
  • 2026年9月9日
    海町、古書店ものがたり
    高台から臨む瀬戸内海は、物語の始まりから終わりまで穏やかな表情で町を見守っており、その傍らで人の思いが綿々と受け継がれていく文章は読んでいてとても気持ちがいいものでした。 本だけでなく、様々なものが人の思いをきれいにをつなげており、特に古時計・原稿・猫を絡めた描き方は、オーソドックスながら特筆ものです。 また物語が完了した形ではなく、季節が巡るような形で締められております。もう少し先があり、それは少しずつ前に進んでいけばいいんだよ、という作者からのメッセージだと思います。
  • 2026年9月2日
    神と王1 亡国の書
    文春文庫版を読んだのが発売直後だったこともあり、記憶をたどりながらの再読となりました。とはいえ、nex版では新たに加わった情報が想像以上に多く、作品世界への理解がさらに深まります。特に断章は見逃せない内容ばかりで、そこだけ読んで終わらせるのは本当にもったいないです。本編を含めて最後まで読むことで、続く2巻以降の人物や物語の見え方が格段に変わり、シリーズの魅力をより強く味わえる一冊だと思います。既読の方にも新たな発見があり、再読する価値を十分に感じました。
  • 2026年8月27日
    ボーイング 強欲の代償
    最も印象に残ったのは、ボーイングによるマクドネル・ダグラス買収そのものではなく、買収された側であるハリー・ストーンサイファーが、その後のボーイング経営に大きな影響力を持ったことである。 特に、マクドネル・ダグラス株主への1.3株交換という条件が、結果的に同社経営陣の発言力や影響力を維持させ、ボーイングの企業文化変容を招いたのではないかという疑問を持った。 また、ボーイングはストーンサイファーという「薬」あるいは「スパイス」を求めたが、その効き目が想定以上に強く、本来の技術者中心の文化を変質させてしまったのではないかとも感じた。 さらに、この問題は航空業界特有のものではなく、1980年代以降に強まった株主価値重視の資本主義の流れと深く結びついていると考える。企業経営者が「良い製品を作る人」から「資本を効率的に運用する人」として評価されるようになったことは示唆的であり、自社が外資ファンドから資本効率向上を求められている現状とも重なって見えた。 その一方で、企業は株主だけのものではなく、顧客、従業員、取引先、地域社会、株主といった多くのステークホルダーのために存在すると考えている。 経営の役割は、そのすべてを完璧に満足させることではなく、それぞれを一定水準で満足させるバランスを取ることにある。そして、その難しい利害調整を実現できる経営者こそ、高い報酬に値する真に優れた経営者であると考えている。
  • 2026年8月25日
    ボーイング 強欲の代償
    何故マクドネル・ダグラス出身者が経営者として残ることができたのか?
  • 2026年8月18日
    迷走するボーイング
    迷走するボーイング
    「会社は誰のものか?」という問いを強烈に突きつける一冊。株主、顧客、従業員など多様な関係者の間でバランスを取ることこそ経営者の役割だと改めて感じた。ボーイングの事例でありながら、「納期と品質」「開発と利益」「現場と経営」といった製造業共通のテーマが貫かれており、他人事とは思えない。特に印象的だったのは、マクドネル・ダグラスとの合併後に企業文化が失われていく過程。決定的な何かはないものの、それだけに病巣の深さは計り知れない。合併は数式ではなくお見合いであり、価値観の相性が企業の命運を左右することを痛感した。
  • 2026年8月18日
    ボーイング 強欲の代償
    8/17購入。 迷走のボーイングの後に続けて読む予定。
  • 2026年8月4日
    さよなら、探偵
    千早と椿が出会ってしまった。互いの秘密を知り、言葉を交わし、謎を解くたびに距離を縮めていく二人。「もっとお互いを知りたい」という気持ちが強くなるほど、「それでも将来を望んではいけない」という現実が重くのしかかる。その切なさに加え、剽窃犯への復讐と、その復讐がやがて自分自身だけでなく、周囲の人たちへも繋がっていくことに気づくジレンマも印象的。二つの物語が交差することで、青春ミステリとしての切なさがより深く感じられた。
  • 2026年7月28日
    高一事変 II
    高一事変 II
    印象に残ったのは、優莉結衣の父方の祖父の存在に触れられたことだ。『高校事変』本編を振り返っても、それに当てはまりそうな人物が思い浮かばない。いっそのこと、メフィストやノン=クオリア、恒星天球教が生み出した人造人間こそ祖父または結衣の父だった、という展開の方が先が読めず面白いのでは、とまで想像してしまった。そして、切り札であるVXガスが半分しか使われなかったことも見逃せない。「まだ半分残っている」という事実が、さらに大きな事件の到来を予感させ、続巻への期待を大いに高めてくれた。
  • 2026年7月24日
    見えるか保己一
    見えるか保己一
    作品を貫いていたのは保己一の学問への純粋な情熱と、それを見る周囲の嫉妬や差別感情とのズレである。保己一は盲人であることにとらわれず学問を追究するが、周囲は「目の見えない人」という先入観で彼を見てしまう。その姿から、人間の劣等感や偏見の根深さを感じた。こうした保己一の認識世界は文体にも表れている。終始説明を抑えた文体は、読者にも手探りで保己一の世界を理解させ、彼の世界を追体験させる。そうだとすればこの作者は相当な手練れである。
  • 2026年7月23日
    シグマフォース シリーズ17 ツァーリの蔵書(下)
    上巻では、失うことを恐れながらも守るべきもののために戦うセイチャンと、喪失を埋めようとして突き進むヴァーリャの対比が印象的でした。下巻ではその違いがさらに鮮明になります。ヴァーリャには失われた栄光と影響力を取り戻そうともがく現代ロシアの姿が重なり、ロシア正教の関係者たちはさらに古いロシアの亡霊のように映りました。一方、セイチャンは守るべきものを得たことで過去の自分を乗り越えていきます。その内面の変化は、シリーズの一つの区切りを感じさせるもので、壮大な冒険譚以上に心に残りました。
  • 2026年7月16日
    シグマフォース シリーズ17 ツァーリの蔵書(上)
    北極とロシア史を題材にした冒険小説でありながら、セイチャンとヴァーリャという「似ているからこそ対立する二人の女性」の物語として読むと、いっそう深みが増します。失うことを恐れながらも守るべきもののために戦うセイチャンと、喪失の穴を埋めようとして突き進むヴァーリャ。その対比が鮮やかです。とりわけヴァーリャの姿には、失われた栄光や影響力を取り戻そうともがく現代ロシアの影を重ねてしまいます。それが作者の意図なのか、それとも読者である私の思い込みなのか、この判断は下巻に譲ります。
  • 2026年7月8日
    新装版 ハゲタカ(下)
    鷲津、芝野、松平貴子の物語は、「凋落した日本をどうやって取り戻すのか」という点に収斂していきます。 鷲津は冷徹な買収者として振る舞うのですが、その行動原理は失われたものを求める渇き・飢えだったように感じました。 芝野は現実と理想の間で苦悩しながら再生の最前線に立ち、 貴子は故郷と伝統を守るためにもがきます。三人の葛藤がミカドホテルで重なります。 池井戸潤のようにスッキリした終わり方ではないのですが、ハゲタカⅡ、読むのがマストになりました。
  • 2026年7月2日
    新装版 ハゲタカ(上)
    AIに勧められて読んでみました。 なかなかどうして、結構なストライクゾーンをついてきました。 バブル期から崩壊、敗戦処理の頃は中学2年生〜社会人2年目だったので、政治と経済の空気感を読み取る感覚はボンクラでした。 今読んでみるとヒリつく感じがたまらないですね。勿論、エンタメとしての感想ですよ。体験してみたいとは思いません。 3人を軸にした話がどうやって重なるのか?ハゲタカをここまで駆り立てる内なる動機は何なのか?。あと、政治と経済の闇。 この辺りが下巻の軸になるのでしょうか。
  • 2026年6月26日
    令和中野学校III スパイ防止法(3)
    巻末の解説に「成長途中の主人公たちが身内を信じることができない」とあります。そう言われれば、と合点がいきました。幾つかスパイ物や特殊工作機関物を読んでいますが、いずれも一端の実力者が主人公でした。そういう意味では令和中野学校は成長物語の側面もあるのかな、と。 ただ、まあ、あなたたちがそこと手を組むのはどうなのよ、という相手なのは少しゲンナリしました。 スカイツリーの件の伏線回収ですか?と考えればう〜ん、やむなしかな、としておきましょう。 ここからの高校事変シリーズとの絡み合いに期待です。
  • 2026年6月19日
    プアジャパン
    過去作を読んでいれば、『日本型スタグフレーションとは、「みんなが少しずつ貧しくなる社会」という恐怖と日本人の宿痾である』との主張は腑に落ちると思います。寧ろ、題名を見て確信する人のみこの本を手にすると思います。 前半部分の社会分析や将来予測の議論だけでも十分に読み応えがあるので、そこから働き方や家計をどうやって最適化していくかを探っていく方が需要があるのでは。 後半部分は別の著作(資産運用の指南本)に回した方がよかったような。 ま、どちらとも前の著作を参照ください、と言われればそれまでですが。
  • 2026年6月14日
    にぎやかな部屋
    ショートショートが読みたくて、鉄板の星新一でどれかな?と中身を確認せずに購入したら、戯曲でした。 はい、自分が悪いのですが「戯曲ってなによ?」程度なのでとにかく楽しもうと。 確かに読んでいてクルクル反転する舞台が浮かんできました。あっちのやりとりとこっちのやりとりの応酬か楽しそうですね。 仕舞かたもオシャレで、「この後、ここではないどこかで同じようなことか繰り広げられるんだろうなぁ」と思わせるのは流石です。
  • 2026年6月5日
    掌より愛をこめて
    安定感のある語り口で、「迷ったらここへ戻っておいで」と言われているような安心感があります。SNSやネット記事の日本語がファストフードだとすれば、阿刀田先生の文章は老舗旅館の朝食のようです。派手さはありませんが、滋味深く、読むと心が落ち着きます。九十歳を超えてなお、質の高い作品集を世に送り出したことに驚かされます。「さいごの小説集」と銘打たれていますが、最後の一編の締めくくりはどこか洒脱で、本当にこれで終わりなの?と期待を抱かせてくれます。読者を少し煙に巻くところもまた、小説家・阿刀田先生の魅力ですよね。
  • 2026年6月1日
    異常に非ず
    異常に非ず
    1頁目から主犯の男の罪や欲望だけでは説明できないどす黒い、令和では想像できない重みがのしかかってくるようでした。貧困や差別、家族の断絶など、前の世代から積み重なった社会のひずみが彼の人生に流れ込み、やがて事件という形で噴出したように感じられました。彼は不幸の増幅装置のような存在でもあったのでしょう。 取材の切り口が、関わった女性に偏った部分も含めて、時代を映す鏡として考えさせる作品でした。 理想を言えば、父親の関わりについて幾らかでも掘り下げて欲しかったです。
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