山口慎太朗 "灯台へ" 2025年1月6日

灯台へ
灯台へ
ヴァージニア・ウルフ,
鴻巣友季子
あとがきでジョイスについて「間違いなく今は彼が一人精彩を放っているが、なんか魂が足んない」とウルフが言っていた、みたいなことが書かれていて、うん、わかる、と思った。なぜならこれが魂まみれの小説だったから。リアリティを追求していった果てに「意識の流れ系」みたいなジャンルが確立されていってどんどんソリッドになっていって実際をトレースして伝えるための確かな方法の一つなこともわかるし大好きだけど、ウルフネキはそれ一辺倒にならずに今見える景色のこともそっと添えてくるので、そこに「読者に絶対伝えたる」みたいな気迫というかオーラというか、そういう波動が見えた(僕はジョイスも大好ちです)。書いている人間にとってはかなり姿勢を正される思いになるというか、ここまで真剣にカマされると「どう? お前やれんの?」と言われてる気分でした。やれます。
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