ゆい奈 "先生の傘 (シリーズ人間4)" 2026年8月18日

ゆい奈
ゆい奈
@tu1_book
2026年8月18日
先生の傘 (シリーズ人間4)
父が撃たれて死に、小学6年生でひとりぼっちになった、火の付け方もわからない子どもが沖縄戦時下を生き抜いた日々のこと。夜になるとアメリカ兵の乗ったトラックの音が聞こえる。床下へ逃げ込む。大人の女性の叫び声が聞こえる。戸が開かれる。生きた心地がしなかったろう。どうか、この子が暴力にさらされませんようにと祈るようにして読む。戦争が終わった後も、戦争は終わっていなかったのだと思い知る。何度も繰り返し言葉にされる事柄はおそらく身体に染み付いた声なのだろう。なにかの本で読んだ、あの時代を生き抜いた沖縄の女性たちはみんな口にはしないけれど少女も成人も関係なく、心が壊される経験をしていたと語っていた女性を思い出す。「戦争なんてするもんじゃないよ」「戦争はいやだよほんとう」「戦争はしちゃだめだよ」語りながらでてくる、ふとした言葉に重さが増していく。読み終わり、もう一度はじめから読み直す。『先生の傘』というお話がとても素敵で、花が濡れちゃわないようにと傘をさしだす優しい少女の未来が、今が、ずっとずっとやさしいものでありますようにと願う。
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