
雫
@sukinamono
2025年4月2日

ひとりでカラカサさしてゆく
江國香織
読み終わった
大晦日、老人3人が集団自決をした。
そんなニュースから始まる物語の続きが気にならない訳がなく。
ぐいぐい読み進めてしまった。
3人の老人の家族や友人、教え子、彼らの生活に亡くなった3人の影が色濃く落ちる。
人間は不思議だ。生きている間には頭を掠めもしなかったのに、死んだ途端にその人のことしか考えられなくなる。
家族の「お母さん」、「お父さん」、「おばあちゃん」以外の姿を見たことがない、と登場人物が嘆くシーンで私も同じだと気づく。
彼らがどんな人と学び遊び、どんな人間であるのか、結局私は知らないままいろんな人とお別れをするんだろうなとひっそりと思うのでした。




