読谷 文 "六人部屋の十三年間" 2026年8月19日

読谷 文
読谷 文
@fumi_yomitani
2026年8月19日
六人部屋の十三年間
入院病棟で繰り広げられる、病人同士や家族間、見舞人たちの人間模様を、鋭い観察眼で書かれた名著。人間の本性ここに極まれりといった、こわーい話もまあまあ出てくる。 同時に、知られたくないだろう筆者の愚痴や叫びといった内心がこれでもかと書かれているのがよい。 番外編の、健康に見える街の人たちを見て、初めの頃は呪詛にも近い思いを抱き、やがて目に見えぬ世界の人への関心に向かい、最終的に「みんな元気で、どうか元気で、誰も病気になりませんように」という祈りに変わってゆくところが素晴らしく、涙した。 病院の前で立ちつくす人を、ただよけて通る人々の優しさ、単にぼうっとしているのだとしたらどんなによいだろう、と想像する優しさに、胸を打たれた。
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