Masayuki Kojima
@myrskj
2026年8月19日
夜と霧
ヴィクトール・E・フランクル,
池田香代子
読み終わった
★★★★
ずっとこの本があることを知っていながら、この歳になるまで読まないできた。いい加減なぜ読んでいないのか自分でもわからなくなってきたので、買って読んだ。
昔から戦争の頃の話を聞くのが好きだった。きっかけは祖父の従軍話だった記憶で、それから先に産まれた人に先の戦争について知っていることを聞き回るような子どもだった。意外と人は戦争についての記憶や見解を話してくれないもので、両親でさえよく覚えていない様子で、曖昧に受け答えしていたような記憶がある。話したくないのか本当に忘れてしまったのか、どちらにせよ子どものぼくの目には、覚えて伝えた方がいいことをどこかにしまったままの人たちにみえて、どこか薄情なものを感じていた。そんな中でも、祖父や伯父などある程度話してくれる人たちの言葉が、ぼくの先の戦争に対する理解の土台となっている。先の戦争は、自分の一部のようなものだ。あの戦争があり、そこで生きた祖父母、両親、親族たちがいて、その先にぼくがいる。同じ時代を生きた人たちがぼくに語ってくれた言葉があることが、単なる昔の出来事ではなく、自分を形作る前提条件、文脈としての位置づけを持たせてくれている。
読了後思い浮かんだのは妻の顔だった。同じような境遇に直面したときに、ぼくがよき人間としてい続けることができるかはとても不安だけれど、きっとフランクルと同じように内面への逃避を試みるだろう。そのときは妻を思い浮かべるのだろう。


