
雨
@ametrine
2026年8月19日
ロスト・ケア
葉真中顕
読み終わった
再読
誰しもが通る可能性のある介護問題。介護をする方もされる方もこれまでの人生とは全く違う世界を生きねばならず、想像するだけで暗澹たる気持ちになる。
この本の発行から10年以上経つにも関わらず、介護職の待遇改善や介護サービスへのアクセスの簡素化、尊厳死についての議論や法整備などは進んでおらず、高齢化社会が進行して負担だけが増えていて本当に気が重い。
犯人が求めていたのは誰かの死を願わずに済む世界で、その実現のために一矢報いようとした行いについて単純に責めることはどうしても出来ない。
ラスト三行は、憂うだけでなにもしない人間に対してさあどうする、と問いかけるようで重く響いた。
犯人が誰なのか明らかになるシーンには驚きがありミステリとしても秀逸。

