
Yo
@otsuki
2026年8月20日

オランジェット
笠木拓
読み終わった
月が月の残像でしかないことも ビデオ通話の夜道 優しい
春はよく眼鏡のほこりがみえるなあ外して拭いてホームで待った
あかねさすオランジェットは見ていないときに満ち欠けする贈り物
都市はいま薄暑 バルーンスリーブの二の腕あげて見つけてもらう
ひろげえと帆を張らぬ腕 鳥ならば泊まればそこが港だけれど
銀の鍵回しきったらあとは寝るだけにしてあるこの世のねぐら
おこる? って訊かれてさびしかったこと心に柿の黒点ほどに
よけたけど酔っていたのですこし踏むぎんなんの実のださいにおいだ
濡れるほどではない雨もふたりなら傘さしてゆく烏丸御池
さえざえと明るい窓を過現未のだれも偶像めいてよこぎる
死後もあるいは余生だろうか周りくるおすしの上のかますきときと
首都高をねじれの位置に見下ろして冬なかぞらの道を歩めり
無理に笑ってどうにかなったことだって灯火にして濡れた夜道を