
うゆ
@otameshi_830
2026年8月20日
ハムレット
シェイクスピア,
野島秀勝
読み終わった
『ハムレット』再読。といっても1度目は福田恆存、2度目は小田島雄志、今回は野島秀勝、と訳を変えて読んでいるので厳密には「再読」ではない。それくらい訳によって解釈や受ける印象に違いがある。面白い。野島秀勝訳は読み始めてすぐに 私好み!となったのだが、この訳の特徴は 読むもの、文学としての訳であることらしい。さもありなん。透明感のある小田島雄志訳よりずっとひとりひとりの登場人物が人間臭く、心情が生々しく迫ってくる。福田恆存ほどの外連味は無いため綺羅びやかな文体に目を眩ませられることがなく人々の心に分け入ってゆける。といって各訳に優劣があるわけではありません。私は福田恆存訳も小田島雄志訳もとても好きだったのだから!謎多き『ハムレット』。その謎こそ名作の所以なのだろう。野島秀勝も解説で言っている
―どうやら時代もまた、ハムレットの鏡におのがじしその姿を映し出すものらしい。無論、今日現代も、これから先も、変りなく。しかし、古典というものは、時代時代の誤読によって生きながらえるものだ。もし正解というようなものがあるとしたら、そのときは古典の生命も確実に絶える。
この解説や注釈、補注の分量も凄まじく、またそれだけで成立するほど読み応えがあった。特に補注が素晴らしい。とても勉強になった。
ガートルードは先王の存命中からクローディアスと通じていたのか?また暗殺に加担していたのか?この解釈ひとつとっても演出家の腕の見せ所なのだな〜
シェイクスピアはどのような演出をしたのだろうか!叶うことなら観てみたかった…
レアティーズとハムレットが鏡合わせの存在ということにも気付かされた(遅い)
ハムレット、レアティーズ、フォーティンブラスという鏡合わせの存在の重奏が作品をまた強固にしている。
余談だけど私の愛するアニメ『91days』はずっと『マクベス』だと思っていたけれど、こうしてみると多分に『ハムレット』でもあるのだな。おもしろ!
内省、独白の多いハムレット。個人の復讐を超えて、人間存在の問題に深く潜ってゆくのが今回の読書でようやくわかってきた気がする(だから遅い)
ハムレットはハムレットを超える何かなのだな。
そして、今この時代に深く突き刺さる刺さる台詞もあった。
―たとえ二千の人の命、二万の大金を費しても、 この藁しべ一本ほどの問題を解決できはしないのだ! これは富と平和に倦んだ揚句の果ての吹き出物、 外目にはなんとも見えないが、中は膿みただれて、 命とりになる
何度同じことを繰り返しても決して変わることのできないのが人間なのか。
シェイクスピアが繰り返し描く人間の欲望の悲劇と喜劇。闇く熱くそして虚しい。
やっと『ハムレット』が名作であることを理解するはじめの読書になったと思う。
Kindleで読んだのだけど紙の本でも買い直そうかな…



