
M市のR氏
@aoi-honmimi
2026年8月21日
骨を喰む真珠
北沢陶
読み終わった
─咳に効く奇跡の薬。そして、ある一家の秘密。
大正時代、大阪の新聞社に身上相談として届いた手紙にただならないものを感じた婦人記者・新波苑子は、手紙の送り先の丹邨(にむら)邸に潜入する。
そこには、あまりにも若すぎる製薬会社社長夫人の姿や手紙の送り主で丹邨家の長男・孝太郎の様子と彼に無理やり食事をさせる両親の姿、それを淡々とみつめる影で一家を牛耳る存在。一家を観察する苑子に射抜くような視線を向ける社長秘書。そして、持病がある苑子に与えられた丸薬。そこから結びつく伝説の存在が物語に大きく関わっていく。
グロテスクな描写がありつつも全体的にライトな印象で、作中の人物たちの察しがいいことから早く物語が進むけれど、それ故に淡白にも感じてしまう。アクの強さやおどろおどろしさが足りないことが物足りなく感じて人物描写も踏まえて惜しいという感想だった。