
しま
@murmur
2026年8月21日
昨夜のカレー、明日のパン
木皿泉
読み終わった
最初は、あまりにも ふわふわ と続いていく生温い空気に落ち着かず、読むのをやめようかと思った。
他の人の感想を読んでやっと言語化されたのだけど、善人しかいなくて、優しい、全ての人が優しいから、居心地が悪いのだと分かった。…優しい話を求めて購入したのにね。
ちょっとだけラブホの下りは苦手。
嘘、かなり深津くんにドン引いた。
【夕子】から後ろの話は、とても好き。
加藤さんのように、正しく叱ることってとても難しい。叱るということは、自らの心にも痛みを伴うということ。社会にでて部下を持つと、そのことを嫌でも思い知らされる。
人間が行う様々なことを、便利さが持っていってしまう。楽にはなるけど、その間の矜持がない。筆の先まで神経を研ぎ澄まして絵を塗っていたのに、AIに線画を投げて塗ってもらうような。寂しがくっついている。
見すぼらしさは、心の貧相さの表れのように思う。
生活をおくることは、心の豊かさでもある。
こんな風に満たされて先立つことは、もしかしたら幸せと呼んでも良いのかもしれない。それは勝手な願いだけど。
【一樹】のなかで、彼の言った
「傘をさして歩いていると、気持ちが落ち着く。
自分の傘に雨粒がはねる音が美しく、そう思うのは、もしかして自分だけかもしれないと思った。
しかし、傘の中に一人でいると、そのことを恥じる必要もない。
自分の場所がはっきりとわかる雨の日が好きだった。」
というひと段落に共感して、懐かしくなった。
昔はイヤホンなんてしてなくて、そんな雨音を聞きながら家に帰ったんだった。
とても好きかと言われると、そこまでではないけれど、懐かしいことを思い出させてもくれる良いお話達でした。
※これは余談ですが、岩井さんのキャラクター性が面白くて好きです。