
たにこ
@chico75_11427
2026年8月22日

すべての、白いものたちの
ハン・ガン,
斎藤真理子
読み終わった
韓国語にはふたつの「白い」という言葉があり、著者は綿あめのようにひたすら清潔な白「ハヤン」ではなく、生と死の寂しさをこもごもたたえた色「ヒン」について書きたかったとのこと。
生まれてすぐに亡くなってしまった姉の話から始まり、生と死の間を彷徨うような、悲しげだけど、どこか暖かくて、寒いだけではない。
とりとめのない日記のような、独白のような。読む感覚ではなく音として浴びているような文章を読んだ。
白く笑う、という表現は(おそらく)彼女の母国語だけにあるものだ。途方に暮れたように、寂しげに、こわれやすい清らかさをたたえて笑む顔。または、そのような笑み。
あなたは白く笑っていたね。
例えばこう書くなら、それは静かに耐えながら、笑っていようと努めていた誰かだ。
その人は白く笑ってた。
こう書くなら、(おそらく)それは自分の中の何かと訣別しようとして努めている誰かだ。(P101)
