
よろこびイサンディ
@yorocobi_isandy
2026年8月22日

歴史学の手引き
長谷川まゆ帆
読み終わった
他の章についても学ぶべきことが本当に多い本だったけれど、僕にとっては第6章が最も印象に残った。
一時代を築いた一群の歴史学者が、90年代初頭に歴史学者となった著者の視点から綴られている点、僕にとっては蒙を啓かれる内容だった。
歴史学についての専門的な教育を受けたことのない僕にとって、網野善彦氏や阿部謹也氏、二宮宏之氏といった、歴史学の大家は、ただ点在しているだけだった。
この第6章を読み、その大家が線となり、面となって立ち上がってくる感覚があった。
歴史学者の歴史が有機的に結束していく感覚があった。
網野氏や阿部氏、二宮氏についても、必ずしもその当時の歴史学のメインストリームを進んできておらず、ある種の破調として名を馳せた点は、僕が本書を経験する前に感じていた歴史学の魅力とも相通ずる点があり、嬉しかった。
著者の優しい語り口に先導され、このあとも続くのではないか、という淡い期待を抱いたままに読了と相成った。
個人的には、かの時代の歴史学者の著作を読みたい気持ちが膨らんでいる。
また、それらを読むにつけ、本書と著者を知り、彼女が本書で顕現した視座を持って読み進められる幸福は、僕と同じ読書好きにも味わって欲しいと切に願うところだ。
