歴史学の手引き

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よろこびイサンディ@yorocobi_isandy2026年8月22日読み終わった他の章についても学ぶべきことが本当に多い本だったけれど、僕にとっては第6章が最も印象に残った。 一時代を築いた一群の歴史学者が、90年代初頭に歴史学者となった著者の視点から綴られている点、僕にとっては蒙を啓かれる内容だった。 歴史学についての専門的な教育を受けたことのない僕にとって、網野善彦氏や阿部謹也氏、二宮宏之氏といった、歴史学の大家は、ただ点在しているだけだった。 この第6章を読み、その大家が線となり、面となって立ち上がってくる感覚があった。 歴史学者の歴史が有機的に結束していく感覚があった。 網野氏や阿部氏、二宮氏についても、必ずしもその当時の歴史学のメインストリームを進んできておらず、ある種の破調として名を馳せた点は、僕が本書を経験する前に感じていた歴史学の魅力とも相通ずる点があり、嬉しかった。 著者の優しい語り口に先導され、このあとも続くのではないか、という淡い期待を抱いたままに読了と相成った。 個人的には、かの時代の歴史学者の著作を読みたい気持ちが膨らんでいる。 また、それらを読むにつけ、本書と著者を知り、彼女が本書で顕現した視座を持って読み進められる幸福は、僕と同じ読書好きにも味わって欲しいと切に願うところだ。
よろこびイサンディ@yorocobi_isandy2026年8月11日読んでるフランス近世史を研究する東京大学名誉教授による、題名にもある通り、歴史学の手引きが本書である。 こう書いてしまうと、読むのに骨が折れる著作かと思われるかもしれない。 ただ、どちらかと言うと「手引き」という方が先行し、際立っているが故にスルスルと読み進めることができる。 歴史学にそれなりの興味を持っている、僕のような一般の読者であれば、名前くらいは知っている西洋の歴史学者についての概略が記載され、彼彼女らに対する著者の意見も記されている。 歴史哲学の周辺をうろついていた僕の、個人的な時宜を捉えた本書は、「こんな本を待っていた」という好意的な感覚を持たせてくれる。 昨年に読了を迎え、個人的にとても印象に残っているフランス文学者・石川美子氏の著作と語り口が似ている気がしている。 彼女らの共通点は「フランス」にあるが、どれほど影響しているか。 このところ、良書に当たることが続いている。 やはり読み進めなくては、読書の女神は微笑まない。 そう、時間を掛けずに読み終えたいが、叶うだろうか。


