ドッグストエフスキー "聖なるズー" 2026年8月22日

聖なるズー
聖なるズー
濱野ちひろ
めちゃくちゃおもしろかった!読み心地がハードボイルドっぽい。 最近ラブドールとのセックスについての話を立て続けに読んでた。相手との同意が問題になる関係性というのは共通している。偶然か必然かテッド・チャンの「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」でも、ラブドール開発会社が興味を示したディジエントは動物の容姿をしていた。 さて、この本を読んで自分とかつて暮らしていた犬について考えた。メスの柴犬で、避妊手術を受け、18歳まで生きた。彼女はそうとわかるほど若い男性が好きで、あれが性欲の現れだと言われたら、そうなのかもなーとなる。ちなみに近所の二歳のメスの柴犬はシニア女性が大好きな犬界のサラ・ポールソンなので、犬にもセクシュアリティは色々あるのだろう。 私が思うのは、そもそも犬の性は私たちと異なるから、人間の尺度で測れないのではないかということだ。私たちは性的な行動に意味を付随させるけれど、犬にとっては「いい匂いがする」とか「むずむずする」とかそれくらいのことで、性的な接触には特別な意味がないのかもしれない。 そうであるのであれば、私たちはどうやって犬の性を理解すればよいのだろう。 私はうちの犬のことが大好きだったけれど、やはり違う種だなとは強く感じていた。彼女たちは私たち人間とは違う沈黙を持つ。彼女が家でただ1匹の犬であることが申し訳なかったし、同時に彼女と私の関係を「ママと子供」だとか「お姉ちゃんと妹」だとかと形容するのは抵抗がある。彼女はかけがえのない家族だけど、いまのところ彼女を示すのに家族の成員としてのぴったりの言葉はない。 私が彼女を理解できなかったからこそ、本書のズーのような、動物を理解できる人もいるのかもなーと思う。 いつか犬をまた迎えたいけれど、避妊をどうするのかは悩む。そうした方が良いけれど、他者の身体をそこまで好きにしていいものなのかという悩みがある。 著者には自分の辛い体験まで開示してもらってありがたかった。 最後に。ベルリンはいいなー!ドイツは性的にラディカルなイメージがあったけれど、それがナチス・ドイツの反動とは知らなかった。私はクラブ・ミュージックも大好きだし、セクシュアリティにもすごく興味があるので、ベルリンは憧れの街だ。 数年前にクィアな社会評論家が小児性愛者との連帯を呟いた時に日本では袋叩きにされてうんざりしてた。同じ頃、小児性愛者の苦悩を扱った映画があったけれど、それもたしかドイツ映画だった。ドイツってそういう国なんですよね。
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