
有希
@madoromi_y
2026年8月22日
ムーミン谷の彗星 [新版]
トーベ・ヤンソン,
下村隆一,
冨原眞弓,
山室静
読み終わった
☆☆☆☆☆
想像よりすごい話だったな
はじめてムーミンシリーズを読んだけど、面白くて一気読みした。すぐに弱音を吐いたり話の腰を折ったりするスニフのことを最初はあまりよく思わなかったけど、読み進めていくうちに彼自身の不安やある意味子どもらしい純真さを感じてちょっと苦しくなった。でもそれこそが彼の魅力なのだと思う。大人びたスナフキンやスノーク兄とのやりとりが面白い。理性的で現実的なことを言うスノーク兄に対し、ムーミントロールが怒るシーンが好き。あと、スナフキンのことをもっと知りたくなった。言い回しの雰囲気もかなり好き。
読みながら、「子どもが子どもらしくいられることの平和」についてちょっと考えたりした。ムーミントロールやスニフ、スノークのおじょうさんが好きなことを好き勝手言う様においおい……と思ってしまう部分もあったけど、読み進めるにつれてスノーク兄が兄らしく振舞っていることに対する危うさ、みたいなものも感じた。きっと子どもの頃に読んでいたら抱くことのなかった感想だと思う。
「まあね。だけど、しっぽの分はないな。しっぽは燃やしちゃえよ」
「ひょっとこやろう、老いぼれねずみのしっぽ。おまえは、死んだ豚の昼寝の夢みたいなやつだな!」
「しかし、美しいよ。こわくて、美しいよ。それに、今までだれもここへ来たことがないって考えるとさ……」
「彗星って、ひとりぼっちで、ほんとにさびしいだろうなあ……」
「うん、そうだよ。みんなにこわがられるようになると、あんなふうにひとりになってしまうのさ」
「もう、すんだのよ。わたしたちは、ほろびたかもしれないけど、ともかく、すんだのよ」

