しゅなうざー "一撃のお姫さま" 2026年8月23日

一撃のお姫さま
全編、痛みや切なさを伴う物語だった。 どの短編もうまくまとまっていて満足感が高い。 「停止する春」 気力がわかない原因につながるとも思えない小さな小さなきっかけが自分にとってどれほど追い込まれるようなことになっていく感じが苦しかった。さおりちゃんの優しさが救い… 「最悪よりは平凡」 この本の中で1番強く心に残った。タイトルが絶妙。魔美ちゃんの家族や、暗黙の了解のように二番手扱いをしてくる男の人たちが最悪すぎて…上手く被害者になれない魔美ちゃんの不器用さが痛い。 石田くんの打算を読み取る魔美ちゃんもつらい…不器用なのに賢いから、余計に苦しいのかも。 でも、最後は岩井さんが大切にしてくれて嬉しかった。 何気に作中で魔美ちゃんが『同志少女よ、敵を撃て』を読んでいたのにびっくり! 「God breath you」 大学講師の女性と宗教二世の男の子の話。 設定は奇抜に感じられたが、読んでいくと日常に地続きな感じがして身近に感じられた。過去の恋人のディスコミュニケーションへの絶望感は、現代の人には多いんじゃないかと思った。 これも結構すき! 「家出の庭」 お嫁さんと義母の優しい話だった。世の中の嫁姑の話は意地悪いものが多いので少し警戒していたが、あまりに優しくて切なかった。「私」が録画リストから義母の特性と悩みに気づきながら尊重する様子が、素敵だと思った。 「一撃のお姫さま」 作曲のインスピレーションを得るためにホストに百万円を使うことを決めた主人公の話。聖一さんは思っていたホスト像と違っていたがおかしくて面白かった。主人公の過去のいじめっ子への期待が、好意の非対称性が悲しかった。
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