らこ "ゾンビ回収婦" 2026年8月22日

らこ
らこ
@rakosuki
2026年8月22日
ゾンビ回収婦
ゾンビ回収婦
小砂川チト
独特の文体と設定で、この物語世界のルールを理解するまでは読み進めるのが難しかった。 VRの世界に没入するあまり、現実世界に引き戻されたときに感じる身体感覚のずれの描写が特に巧い…。 労働についても考えさせられる。 社会が正常に滞りなく機能するために必要な仕事は無数にあるが、それらは多くの人からは意識されないし賞賛もされない。何も問題が起きないことが普通だから、その裏で誰かが丁寧に驚くべき速さで素晴らしい仕事をしていても気づかれない。 主人公のゾンビ回収の仕事もその一つで、彼女が褒められたい、認められたいと切に願う場面が印象に残った。 一方で、世の中がAIに支配されるにつれ、人間の不完全さや弱さに価値が見出されるようになるのかもしれないと思った。 芥川賞作品らしく、難解で一筋縄ではいかない小説だったので、細部に注目して読み返したい。
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