Sanae "年年歳歳" 2026年8月23日

Sanae
Sanae
@sanaemizushima
2026年8月23日
年年歳歳
年年歳歳
ファン・ジョンウン,
斎藤真理子
最近、仲良くなった韓国の子にファン・ジョンウンってとってもいい作家だと思う、と伝えたら、彼女は大ファンで目をうるうるさせて喜んでいた。というわけで、邦訳は全部読まなきゃと思う。 ファン・ジョンウンを読むのは個人的に、気持ちもきちんと座って読める感じがする。 朝鮮戦争や貧困で苦労された母、イ・スンイルが喧嘩をする娘二人を見て思うシーン 「子供たちは小さい時みたいにしょっちゅう争いはしなかったが、はるかに辛辣で、母親には理解できないことをめぐってけんかした。それが何であれ、イ・スンイルは呵責を感じた。それが何であれ、自分の手で渡したものがあの子たちの手に渡って割れ、その破片を握り締めて子供たちは血を流すのだと、イ・スンイルは思った。」(p102) 森崎和江「からゆきさん」で、圧倒的な苦しみは三代に渡って続く、みたいな表現があったと記憶していて、それに近いお母さん自身の苦しみなのかなと思った。 「大人になる過程って、地面に落ちたものを拾って食べることなのかもしれないとハ・ミヨンは言った。もう落ちて汚れたものの中から、それでも食べられそうなもの選び、汚物を払って口に入れること、とにもかくにもその中の、少なくとも自分から見てちょっとはマシなものを食べること、それが大人の仕事なのかもしれないね。それってつまり、忘れることなのかな。」(p136) ヴァージニア・ウルフの「波」の中の表現と響き合っているセリフなのだが、印象的でこれからも思い巡らせたいのでメモ。 そして何より毎度の如く、訳者の斎藤真理子さんの解説は間違いない。解析度が上がる。
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