
amy
@note_1581
2026年8月23日

読み終わった
感想
私にとって公共の場で読めない作家が二人いる。
朝井リョウと三浦しをんである。
この二人が作家として世の中に送り出してきた著作はいずれもしずばらしい。人間の営みのなかにある愚かさも尊さも描いていて、ファンである人は多いことは想像に難くない。
しかし、エッセイは違う。いや、広義の意味では違わない。二人のエッセイも小説作品と同じくとてもおもしろい。本当に、マジでおもしろい。おもしろすぎて普通に声出して笑ってしまう。
私はわりとゲラなので笑ってしまうハードルが小学1年生がやるゴム飛びくらい低いのだが(ゴム飛びっておもしろいよね、小さいころめっちゃやってた)、それを差し引いたとしても日常においての目の付け所も語り口もシュールで一癖も二癖もある。
おもしろいという言葉の意味が笑いのツボをついてくるという意味でおもしろいのである。
このたび読んだ三浦しをんのエッセイ『好きになってしまいました』は日常的なエッセイでありながら、著者の「うつくしいもの」や旅の様子などが収められている。
どうやってもポインセチアを枯らしてしまうため、お風呂場をその子の居住地にしただとか、ベランダのいちごを狙いにくるナメクジや鳥や虫との攻防戦。時折挟まる友人や家族との軽妙なやりとり。
ありきたりではないうつくしいものに、うつくしいとはいったい何なのか、と考えたくなるし、懸命だったり、怠惰だったりしながらも日々の生活をする様子がおかしい。
親しみの持てる内容から、旅行記のなかで山形の即身仏を見た際の長編エッセイは読みごたえ抜群だった。これJR東日本のサイトにのせたほうがいいんじゃないか。山形県の観光課の皆さん見て(読んで)ますか?
めずらしいものを見ると、とりあえず手に持っている薄い電子板でパシャリとやりたくなる現代の病を持っているものとして、即身仏エッセイにはちゃんと赴いた場所へ敬意を払うことの重要さを再認識させられた。
あとがきまでずっと笑っており、こんなおもしろエッセイだから出かけるときも携えて、公共交通機関で読んだりもしていたが、おもしろすぎてマスクの下でずっと下唇の内側を噛んでいた。マスクを常につけていても変な人間扱いされなくてよかった。
今後おもしろい本やおすすめ本を聞かれたら、ミステリとかSFとか明確な方向性を希望されない限りは三浦しをんと朝井リョウのエッセイをとりあえずすすめてみることにする。

